中島みゆきの衝撃

僕は結構な「中島みゆき」世代で、オールナイトニッポンも聞いていたのだが、何故か「中島みゆきのオールナイトニッポン」だけは聞いた記憶が数えるほどしかない。今では伝説にもなっているそのラジオプログラムについては、改めてここで書く必要もないほど人口に膾炙しているといえるだろう。

そんな数回の「中島みゆきオールナイト」体験だが、今でもはっきりと覚えていて自分の中で反芻しそのたびに驚きを新たにしているものがある。

あるリスナーからの葉書での「『あの娘』という曲のサビで女の子の名前をたくさん並べているところがありますが、息継ぎの場所がなく一気に歌えなくて困っている。どうすればいいか」という相談であった。

普通のシンガーなら、ブレスが続くようになる練習とかコツとか、目立たないで息継ぎできる場所とかを語るところであるが、中島みゆきはこんなことを言ったのである。

『中盤を過ぎたあたりに「ひろこ」という名前があるので、その「ひ」を息を吸いながら歌えばいいんじゃないか。ガハハハ。』

本当なのである。しかも実演までしたのである。

言っておくがこの歌、「あの娘をたとえば殺しても/あなたは私を愛さない」という、ちょっと男ならぞっとするような歌なのである。とてもギャグにできるような内容ではないのだ。

それを自らギャグにし実演までしてぐひょぐひょと下品に笑ってみせる中島みゆきのオールナイトニッポンを聴いて、僕はそっとラジオを消したのである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です